間違いやすいきのこの鑑別   ツキヨタケ編
  ヒダ 場所、季節 特記
径5〜10cm 白色だが、のち褐色のシミを生ずる。 長さ3〜4cm、径1cm 山地の広葉樹の枯幹、切株に生ずる。 日本の代表的な食きのこで、現在広くホダ木による人工栽培が行われている。
シイタケ           円形又は腎臓形で、はじめ縁部は内側へ巻くが、のちほぼ平らに開く。 中実。
(ヒラタケ科マツオオジ属) 強靭で、不完全なツバより上部は白色下部は白色又は帯褐色で繊維状。
A p33 表面:淡褐色、茶褐色、帯紫褐色等でしばしばひび割れを生じ、鱗片状〜亀甲状となる。    
B p29 ヒダは密。 春秋ニ季  
C p72        
D p32 肉:白色        
E p46        
横径5〜15cm 白色又はクリーム白色。 通常短いが、時に数cmに達する。 枯樹枯幹(広葉樹)におびただしく重生する。 優秀な食菌で、広く人工栽培され、「しめじ」の名で売られている。
ヒラタケ 半円形、腎臓形、又は扇形。    
(ヒラタケ科ヒラタケ属) 表面:はじめほぼ黒〜灰青色。のちねずみ色。平滑。水っぽい。    
A p31      
B p24        
C p67 肉:白色     春から晩秋  
D p48     (適期は6〜10月)  
E p108.109        
径2〜8cm はじめ白色、古くなるとクリーム色〜レモン色。 長さ0,5〜1,5cm 広葉樹の枯れ木、倒木などに発生。 ヒラタケに似、今までよく混同されてきたが、一般に小形で肉が薄い。
ウスヒラタケ 半円形  
(ヒラタケ科ヒラタケ属) はじめ淡灰褐色のち白〜淡黄色。  
B p23 肉:白色     春〜秋  
D p49          
径10cm内外。 やや黄色を帯びる。 太短く、表面に褐黄色の短毛をおびる。 種々の広葉樹の枯幹に群生する。 ツキヨタケとの鑑別(相違点)   
ムキタケ 半円形ないし腎臓形 幅狭く密。 ・傘及び柄の表面に細毛を有す。
(キシメジ科ワサビタケ属) 表面:汚黄色または汚黄褐色。     ・柄にツバ様の隆起帯がない。
A p28 微細な毛を密布する。       ・発光性を欠く。
B p115 表皮ははぎやすい。     晩秋 ・表皮がたやすくはげる。
C p66 肉:白色        
D p33          
E p114          
長径10〜25cm 白く、幅広く2cmに及ぶこともある。 太短く、長さ1,5〜2,5cm、径1,5〜3cm 山地のブナの枯幹に、多数重畳して発生。 ・夜、ヒダが青白く光る。  
ツキヨタケ 半円形又は腎臓形 傘の側方につき、ヒダとの付け根の境に、狭くて低いツバ状の隆起帯がある。 ・割ると付け根に黒いシミがある。
(キシメジ科ツキヨタケ属) 表面:幼時淡黄褐色、成熟したものは紫褐色ないし暗紫色となり、ややロウ状。   ・付け根に隆起した突起がある。
A p21      
B p63   夏秋季 毒成分:イルージンS
C p19       中毒症状:激しい腹痛、嘔吐、下痢。
D p34 肉:白色、   柄の基部の肉は、常に暗紫色。  
E p106.107          
F p32.33          
参考文献
A 原色日本菌類図鑑
B 日本のきのこ
C 原色 きのこ
D 長野県のきのこ 改訂版
E 野外ハンドブック3 きのこ
F 日本の毒きのこ 150種